トイレのスリッパは必要か不要か?300人に聞いたトイレスリッパの使用率と使用状況調査

あなたはトイレにスリッパがないことを誰かに指摘され、困惑しているのだろうか?

それともトイレのスリッパを買い替えるタイミングで、その存在意義をふと疑問視してしまったのだろうか?

いずれにせよ、本稿ではそんなあなたにトイレスリッパは本当に必要なのか、それとも不要なのかを考えるうえで、十分な判断材料を提供することができる。

ただし最初にお断りしておくが、本稿ではトイレスリッパは必要なのか不要なのかを結論づけることはしない。

もっと正確にいうなら、本稿でおこなった調査結果からは「あなたの心がしっくりきたほうが正解」ということになる。

▼本調査の結論
・トイレスリッパは必要派がやや上回るも、不要派も4割
・必要派の主な理由は「衛生的だから」
・不要派の主な理由は「必要性を感じないから」

某大手生活用品メーカーが、尿はねがトイレの床だけでなく壁にまで飛んでいることを示す実験データをしきりに喧伝しているが、だから何だというのだろうか?

土足で生活している国も多数あることから、ごくごく少量の尿はねが足裏につくことで健康を害する人が続出するとは到底思えないし、そもそもわざわざ足裏を舐めるなんて、一部のマニアでもない限りやらないことだ。

もちろん間接的に口に入る可能性はあるだろうが、それをいうならトイレに限らずダニなどの死骸や糞尿など汚物を口にするリスクはどんな生活空間でもありうる。

本稿で扱うのはそうした尿はねの定量的なデータではなく、実際に家庭のトイレを使っている人間の心であり、情緒の部分だ。

では以下じっくり見ていくことにしよう。

目次

トイレのスリッパは必要派がやや上回るも不要派も4割

まず本稿としての回答は、トイレのスリッパは必要派が58.3%を占め、不要派(41.7%)をやや上回る結果となった。

トイレスリッパの使用率調査
自宅のトイレが洋式トイレの全国の男女300人による回答を単純集計。インターネットアンケート。調査日2024年3月4日。

筆者の感想は、トイレのスリッパを使用しない不要派はもっと少数なのかと思っていたが、4割もいて意外と多いというものだった。

みなさんはこの結果を見てどう思われただろうか?

不要派も4割はいることから、トイレスリッパを履いても履かなくても特別奇異に映るということはないことを意味する。

つまりあなたが必要派/反対派のどちらであっても、世間からは「まぁそういう人もいるよね」という目で見られるということだ。

しかしこれでは「私はトイレスリッパを履くべきなのか?それとも履くべきではないのか?」という答えとしては弱く感じてしまうだろう。

そこで少し角度を変えて、この結果を掘り下げてみたいと思う。

ちなみに今回の調査は、自宅のトイレに洋式トイレが設置されている全国の男女に限定している。

和式トイレだと床がタイルであることがほとんどで、トイレのスリッパを使用する人が大多数を占めることが容易に予想されるのと、9割にも登る近年の洋式トイレ普及状況を考慮した結果だ。

参考:統計局「平成20年住宅・土地統計調査

では話を戻して、このトイレのスリッパは必要か?それとも不要か?を、ほかの観点からも眺め、深掘りしていきたい。

男性はトイレスリッパ必要派の割合がさらに上昇

次に先ほどの結果を、男女別に集計し直すと男女差が見られ、男性ではトイレのスリッパ必要派の割合が66.4%まで上昇した。

男女別トイレスリッパの使用率調査
自宅のトイレが洋式トイレの全国の男女300人による回答を男女別にクロス集計。インターネットアンケート。調査日2024年3月4日。

なぜこのように男女差が見られるのか?を考えると、トイレの床を汚すのは男性が多いという背景が考えられる。

つまり女性はトイレに座って用を足すが、男性はいまだ小なら立ってするほうが一般的だ。

このとき的を外したり、あるいは封水(便器内に溜まっている水)から尿が跳ね返ったり、便器外に尿をこぼしてしまった経験がある男性は多いどころか、ほとんどの男性が当てはまるだろう。

こうしたトイレの使用状況の違いから、「トイレの床は清潔とはいえない」という意識が男性のほうが強いと考えられる。

このことからトイレのスリッパ必要派の勢力は、男性が下支えしている状況がうかがえる。

トイレマットとスリッパの併用派も半数

次に回答者にはトイレマットの使用状況も聞いたので、トイレマットの有無別にクロス集計することにした。

というのも、トイレマットがあれば前述の尿こぼれはマットでキャッチできることになり、一見するとトイレスリッパは不要に思える。

ところがトイレマットが敷かれているトイレでも、トイレスリッパを使用する「併用派」の存在がハッキリと確認できた。

さらにいうと確認できたところか、なんとトイレマットを敷いている人の53.0%がトイレのスリッパも併用し、トイレ床への尿はね・尿こぼれに対して鉄壁の防御陣を構築している。

トイレマットの有無別トイレスリッパの使用率
自宅のトイレが洋式トイレの全国の男女300人による回答をトイレマットの有無別にクロス集計。インターネットアンケート。調査日2024年3月4日。

一方で、マットがトイレに敷かれていない回答者では、トイレスリッパの使用率がややあがりその割合は65.2%まで上昇している。

いずれにしても、大きく見ればトイレマットがあろうがなかろうが半数以上の家庭でトイレスリッパが使われているという結果になった。

トイレスリッパへの絶大な信頼感がうかがえる結果と言える。

室内用スリッパの着用状況でも差が出る

ところで筆者はトイレだけでなく、リビングなどの室内でもスリッパは履かない。

つまりそうしたスリッパを常に履いている習慣がある人とそうでない人の差が、このトイレスリッパ必要派/不要派の割合そのものなのではないか?とも推測できる。

またトイレの床への汚れを素足で踏むのを避けるためのトイレスリッパであるならば、室内用のスリッパを履いている人はそのスリッパでトイレに入ることだって不自然ではない。

ところが実態はこれらの推測をことごとく裏切るものであった。

室内スリッパの着用状況別トイレスリッパの使用率
自宅のトイレが洋式トイレの全国の男女300人による回答を室内スリッパの着用状況別にクロス集計。インターネットアンケート。調査日2024年3月4日。

まずリビング等の室内でスリッパを履いている人の70.1%が、トイレスリッパも履いている

これはスリッパを履く習慣が根付いているから、当然の結果と見ることもできる。

だが同時に、トイレ前でわざわざ室内用のスリッパを脱ぎ、トイレ用のスリッパに履き替えてトイレに入っていることになり、トイレスリッパを履く習慣がない人目線からすれば「なんちゅう面倒くさいことを…」と見ることもできる。

またスリッパを履く習慣がない人でも、これまでの必要派の割合よりはやや落ちるが、それでも「トイレだけはスリッパを履く」という人が47.1%もいる。

このように観点を変えて掘り下げてみると、トイレのスリッパのなんともつかみどころのない一面が見えてくる。

一体何のために手間暇かけて、毎日何度も何度もそれを履いているのか?

そもそも我々はトイレスリッパに何を求めているのだろうか?

事態が混迷を深めてきたので、次からはトイレスリッパ必要派と不要派それぞれの声に目を向けてみることにしたい。

トイレスリッパ必要派の主張

まずトイレスリッパ必要派の主要な主張を、下表にまとめた。

▼トイレスリッパ必要派の主だった主張

衛生的だから68.6%
無意識な習慣17.7%
足が冷えるから8.0%
居住空間と分けたい4.6%
来客用1.1%
トイレスリッパを常用している男女175人による自由記入回答を分類して集計。インターネットアンケート。調査日2024年3月4日。

群を抜いて多かったのが「衛生的だから」(68.6%)という声で、具体的にはこのような意見が多かった。

「裸足だと足の裏に、床に飛び散って付着した尿や埃が付くかもしれないから」(30歳男性)

「トイレの床はなんとなく汚い印象があるので、他の部屋にも持ち込まない様にスリッパをはいている」(31歳女性)

トイレスリッパ必要派の人が、室内用のスリッパからわざわざトイレスリッパに履き替えている理由は、この後者の女性の声に集約されているのではないだろうか。

つまり「トイレの床の汚れが足裏やスリッパ裏に付着し、その状態で歩き回ると汚れが家中に拡散する」というイメージだ。

実際に土足のまま生活空間を過ごしている国も多くあるわけで、健康を害するレベルで汚れの拡散が起こるのかやや疑問なところもあるが、衛生観念や「生理的に気持ち悪い」という心情に科学をぶつけてもあまり意味がない。

またこの「衛生的だから」と同じような理由として、「居住区間とトイレを分けたい」(4.6%)という声もあった。

これは神道的な「穢れ」に似た感覚といえるかもしれない。

いずれにせよ必要派の主張は、ほぼこの「衛生的だから」という理由が占めているが、一応ほかの声も軽く触れておこう。

次に多かったのが「無意識な習慣」(17.7%)という理由で、これには次のような声が多かった。

「逆にトイレのスリッパがないという概念がなかった。スリッパが当たり前の生活を送っていた」(45歳男性)

「トイレにスリッパはあるものだという固定観念があるから。逆になぜスリッパを使用するのですか?という問いに驚きました。考えたことなかったです」(51歳男性)

お風呂にシャワー、キッチンにコンロ、玄関に靴べらがあるがごとく、トイレにスリッパがあるということだ。

またこうした「無意識な習慣」とは異なり、実際的な声もあった。

それが「足が冷えるから」(8.0%)という理由だった。

「冷え症なので、寒さ対策のため」(54歳女性)

「床がタイルになっており、素足だと冬はとても冷たいからです」(37歳女性)

特に築年数が経っている住宅だと、洋式トイレだけど床はタイルという住宅も結構ある。

また換気用の窓が開いているトイレは、冬場だと凍えるくらい寒い。

防寒のためのトイレスリッパというニーズも、1割も満たない割合ではあるが存在している。

必要派の7割は友人・知人宅でスリッパがないと不快感

ところで少し話は逸れるが、トイレスリッパ必要派の目立った主張は「衛生的だから」という理由だった。

これは裏を返せば「トイレスリッパがないと不潔に感じる」ということにもなる。

これが自宅なら自分でトイレスリッパを用意すれば問題はないが、たまたま訪れた友人や知人宅でトイレスリッパがないという状況に1/2の確率で遭遇することになる。

そのときトイレスリッパ必要派はどのように思うのか?を問うてみた。

その結果、実に7割近い必要派は少なからず不快に感じていることが判明した。

友人・知人宅にトイレスリッパがなかったらどう思うか?の調査結果
自宅のトイレが洋式トイレの全国の男女300人による回答をトイレスリッパの着用状況別にクロス集計。インターネットアンケート。調査日2024年3月4日。

これはトイレスリッパ不要派にとっても無視できない結果だ。

というのも意中の恋人やまだそこまで仲の深まっていない友人を自宅に招いた際、もし相手がトイレスリッパ必要派であれば、自身の衛生観念を疑われることになるからだ。

一方でトイレスリッパ不要派の81.6%は、「なんとも思わない」と回答しており、これは当然といえば当然だが、必要派/不要派で見解が明確に割れるところとなった。

トイレスリッパ必要派は、どのみち日ごろから自身が使うのだからトイレスリッパを購入する一択でよい。

だが不要派は、難しい判断を迫られることになる。

つまりたまにしか来ない来客用のためにわざわざトイレスリッパを購入するのか、それとも「我が家はNOトイレスリッパ」の理解を来客にも求めるか、の選択だ。

可能であれば、事前に来客が必要派か不要派のどちらの立場なのかを確認しておくのがベストだ。

しかしながら「キミってさ、もしかしてトイレでスリッパ履くタイプ?」という質問は、かなり奇異な質問である。

そこで本稿ではこの難しい判断の落としどころの案として、「トイレマット」を提案しておきたい。

トイレマットがあれば、必要派に対して「マットでトイレ床の汚れはケアしている」という一応の姿勢は示すことができるし、不要派に対してもトイレスリッパを強要することなくストレスフリーに使ってもらえるというおいしいとこどりができる。

トイレスリッパ不要派の主張

さてここまではトイレスリッパ必要派の意見を見てきたが、ここからはトイレスリッパ不要派の意見を見ることにしたい。

不要派の主だった主張は、このようなものになった。

▼トイレスリッパ不要派の主だった主張

必要性を感じない40.0%
面倒だから26.4%
トイレが狭く邪魔11.2%
無意識な習慣9.6%
スリッパが不衛生8.8%
掃除の手間が増える4.0%
トイレスリッパを使用しない男女125人による自由記入回答を分類して集計。インターネットアンケート。調査日2024年3月4日。

必要派とは異なり、不要派の主張はバラエティに富んだ結果となった。

その中でももっとも多かったのが「必要性を感じない」(40.0%)という理由で、具体的にはこのような声になる。

「トイレの床は毎日拭き掃除をしていますし、マットは頻繁に交換しているからです。また家族はスリッパを履くのは面倒くさいと言っているので必要ないと思っています」(54歳女性)

「毎日掃除していて清潔だからです」(39歳女性)

まずトイレスリッパの「必要性を感じない」という理由を挙げた人のなかでもっとも多かったものはトイレマットを敷いているから、という理由だった。

つまりトイレマットとトイレスリッパの併用は、過剰防衛と見る人たちの意見だ。

確かにトイレの床の汚れが気になるのであれば、マットかスリッパのどちらかを挟めば、直接トイレの床と足が触れることもないわけで、2つを併用する理由は根拠に乏しいところがある。

またトイレスリッパの必要性を感じない人たちの注目すべき2つ目の理由は「トイレ掃除を頻繁にしているから」という理由だ。

これはトイレスリッパ必要派の盲点を突く声ではないだろうか?

もしトイレスリッパ必要派が自分たちのほうが清潔だと言わんばかりにマウントをとってきたら、「え?キミの家のトイレってそんなに汚いの?ちゃんと掃除してる?」と切り返すことで強烈なカウンターパンチにもなる。

トイレスリッパ不要派の主張として、次に多かったのが「面倒だから」(26.4%)という理由だ。

そのまんまの内容だが具体的には、このような主張だ。

「スリッパ自体はおいてあるのですが、履くのが面倒くさいのでわざわざ使用していません」(23歳女性)

「スリッパが置いてあっても履き替えるのが面倒くさく、部屋用のスリッパで入ってしまうことが多いので、最初から置かないようにしています」(22歳女性)

筆者自身も「まさにコレ」といった感じで、家族がトイレスリッパを使っているから存在はしているものの、自分はいちいち履いたりはしない。

そもそもトイレスリッパが目に入ってすらおらず、「トイレにあるスリッパは何色ですか?」と聞かれてもまったく記憶にない。

不要派の中でも共感できる人は結構いるのではないだろうか。

そのほかの不要とする理由には「トイレが狭く邪魔」(11.2%)と「無意識な習慣」(9.6%)が続いたが、着目すべきはその次の「スリッパが不衛生」(8.8%)とする意見だ。

具体的には、このような声があった。

「スリッパはずっとトイレに置きっぱなしだし、皆が履くので、スリッパがあるほうが不衛生な気がします」(41歳女性)

つまり尿こぼれ対策のためのトイレスリッパかもしれないが、そのスリッパにも当然飛び散った尿は付着することになる。

必要派にその点の見落としはないのだろうか?

また家族のなかに水虫をもった者が裸足で履いたり、子どもがいる家庭なら靴下で学校や体育館を走り回った足でそのスリッパを履いている可能性だって考えられる。

もちろん頻繁にスリッパが洗われているなら問題はないだろうが、「トイレにはスリッパを置いているから大丈夫」と慢心していると、そのスリッパが汚染源になっている可能性が生じてくるのだ。

そうならばとトイレのスリッパを頻繁に洗うのであれば、トイレの床下を頻繁に拭いても手間はあまり変わらないだろう。

少数派ではあるものの、この「トイレにスリッパがあるほうが不衛生」とする声は、「トイレスリッパ清潔神話」に、大きな一石を投じる意見といえる。

衛生観念の押しつけはケンカのもと

さてここまでトイレスリッパ必要派と不要派の声を見てきた。

どちらも一理あると感じる意見で、理屈としては納得できるものが多かった。

しかしながら本稿は必要派と不要派のどちらが優れているかの優劣をつけることは、あえてしない。

こうした情緒的なものは優劣をつけてもあまり意味があると思えず、優劣を競うことよりも「そういう見方もあるよね」と相互に理解しあうことのほうが大事だったりするのだ。

それは「目玉焼きには醬油かソースか論争」と同じで、衛生観念というものは本来的に人それぞれ異なっているものだからだ。

無理に押しつけようとすると、「私は絶対必要だと思う」「いや、僕はそうは思わない」と議論は平行線になるばかりで、最終的には双方を罵りあうケンカにしかならないというわけだ。

本稿のはじめでも見たように、トイレスリッパ必要派と不要派はどちらかが飛びぬけて多いというものではなかった。

であるならばこのトイレスリッパ問題は、単に必要派と不要派の2つの立場がただあるというだけで、それ以上のことは何もないのだ。

まとめ

以上が、今回トイレスリッパの必要性について調査してきた結果だ。

最後におさらいがてら本調査の結論を振り返っておこう。

▼本調査の結論
・トイレスリッパは必要派がやや上回るも、不要派も4割
・必要派の主な理由は「衛生的だから」
・不要派の主な理由は「必要性を感じないから」

もしあなたがトイレスリッパが必要かどうか悩んでいるのであれば、あなたの感性に従って下した判断が正解である。

アンケート実施方法

▼アンケート方法
・アンケート方法 インターネット上でアンケートを実施
・回答者数 自宅のトイレが洋式トイレの全国の男女300名
・調査日 調査日2024年3月4日
・設問は単一選択式、および記述式
・調査主体 【300人のホンネ】編集部

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